4/17/2016

春の出会いもの「若竹煮」


筍料理で一番好きなものは?と聞かれれば、「若竹煮」と即答するでしょう。
旬の筍と新わかめを炊きあわせ、山椒の若芽を添えた「春の出会いもの」。
丁寧に出汁をひき、必要以上の調味料を使うことなく味の「出会い」が生まれ、
香りよく、色彩も美しい。私たちの舌だけでなく、心まで充たしてくれる料理です。
コツといえば、20分ほど静かに炊いた後、冷ましながら味を含ませること。
いただく間際にわかめを加えて温めます。木の芽をたっぷりとあしらって。


若竹煮に欠かせないのが、上質の新わかめ。
東日本大震災の後から、復興ファンドで応援している「鵜の助」さんのわかめです。
500gたっぷり入り520円という低価格ながら、その品質はあまりに高く、
茎わかめや本こんぶも、驚くばかりのおいしさで、我が家で欠かせない食材に。
これからも細く長く、応援できればと思っています。

九州地方が今、大地震で大変な状況です。一日も早く、地震が落ち着いて
避難している方々に普通の日々が戻りますように・・・。ただ祈るばかりです。


400ccの米に150gのゆで筍、小さめの油揚げ1枚。このバランスが好きです。
出汁400ccに塩小さじ1/2の味付けは、炊き込みとしては控えめ。その分、
油抜きして刻んだ油揚げと薄切りの筍に薄口と日本酒を各大さじ1で下味をつけ、
調味料ごと米に加えると、いい塩梅に炊き上がります。冷めても美味。酒の肴にも。


初カツオ。小さめですが、半身を買って、フライパンでさっとタタキにしましょう。
生徒さんにはお馴染みですが、カツオが見えないほど薬味が多い(笑)。
新たまねぎ中1個、小ねぎ8本、大葉10枚。にんにく2片はスライスしてチップスに。
醤油大さじ2、酢大さじ1~2、レモン汁大さじ1をよく混ぜ、直前にかけるだけ。
今年は何度、食卓に登場するでしょう。


この日あわせたのは、今月の料理教室のサービスワイン「チャコリ」です。
若竹煮、筍ごはん、鰹のタタキとどの料理とも相性がよく、ちと驚きでした。
旨みたっぷり、脂が少なめの「初カツオ」は、ニンニクオイルで焼きつけ
薬味たっぷりでいただくので、特有の臭みもおいしさに変わります。
筍にはチャコリの苦味やミネラル感がマッチして、それはもう至福のマリアージュ。
フランスのワインショップでも人気の3~5ユーロのデイリーワインは
日々のご飯のお供にぴったり。お気に入りをたくさん見つけたいと思います。

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