10/30/2015

昭和時代の留袖で



昭和初期の留袖と袋帯。帯は短く、比翼仕立ての着物は重く・・・着付け師泣かせ。
ですが、ご依頼いただくお客様の中には、何十年かぶりに留袖を着られる方があり、
どんな着物でも大切な日を笑顔ですごしていただけるよう、準備したいと思っています。

久しぶりにたとう紙から着物を出されると、思わぬハプニングが起こっている場合も。
カビが出ていたり、金銀の箔の剥がれや色落ち、衿の汚れが浮いてきていたり・・・。
前日では、どうにも対応ができません。1度しか履いていない草履なども、接着剤が
浮いていたりなど、古いものは注意が必要です。

余裕をもって、少なくとも1ヶ月前には、ご確認されますように。

11月は季節柄、結婚式の留袖、成人式の前撮りの振袖、七五三の四つ身など
おめでたい行事の着付けのご依頼をいただいています。ありがとうございます。
慶びの日のお手伝いをさせていただけること、着付け師として幸せに思います。

お仕事にリピートをいただけるようになり、感謝とともに責任も感じます。
体調を整えて、少しでも素敵な一日になりますよう、お手伝いしたいと思います。
大好きな着物を通して、今、私ができる精一杯で。



10/29/2015

11月料理教室 和食の基本


11月のレシピ最終確認中。「ほうれん草と黄菊の京風おひたし」。
何をいまさら・・・の"おひたし"ですが、プロの技を知ってその違いに愕然とした20代。
母が作る田舎の"おひたし"が好物でしたが、ゆで方から絞り方までほんの少し
気遣うだけで、こんなにもほうれん草の風味や食感が楽しめる一品になるとは!!
地味なものだけれども、ぜひ、伝えたいと思う和食の基本です。


「ちりめんじゃこと黒ごまの揚げ出し豆腐」。器によって表情が変わります。
汁をはって、お箸で切り分けていただく料理は、器の大きさに気を使います。
料理は美しさとともに、食べやすさが大切。輪島塗の中鉢がよい加減です。
豆腐の水切り、ゴマとじゃこの衣のつけ方の違い、揚げ方。マスターしましょう。


「鱈と生姜の炊き込みご飯」。レッスンでは生鱈の切り身を使います。
生臭さを出さず、身はふっくらと。生姜の香りと食感もほどよく仕上げるポイント。
鯛や鮭などの切り身も共通なので、さまざまにアレンジできます。


「里芋と黄菊のお味噌汁」。おひたしとは違い、黄菊を主にした汁物。
水出しした煮干の上品な味わいと黄菊のほろにがさ。里芋のねばり。
寒い日におすすめしたい、冷えた体がほっこりと温まる組み合わせです。


「りんごのポロポロ焼き アイスクリーム添え」。
バターと小麦粉、砂糖で作るクランブルを振りかけて、オーブンで焼くこと40分。
旬のりんごをさらにおいしくいただくデザートのひとつ。ほうじ茶によく合います。

11月の料理教室、申し込みの締め切りは明日30日です。
「和食は作れるけれど、これでいいのかな?」と思っている方、ぜひご参加ください。
いつものご飯をレベルアップする和食の基本が詰まっているレッスンです。

<11月の料理教室MENU>
・ほうれん草ときのこの京風お浸し
・揚げ出し豆腐
・鱈としょうがの炊き込みご飯
・里芋と黄菊のお味噌汁
・リンゴのポロポロ焼き

日程:11月9日(月)、10日(火)、11日(水)、12日(木)、13日(金) 10時半~14時半(予定)
定員:4名   レッスン費:7000円(税込、材料費込)
場所:マーズ・キッチン 都立大学駅徒歩7分 詳細は受付時に
申込締切日:10月30日(金)
※体験レッスンはあきのあるクラスで受付中。プライベートレッスンも可能です。
 お友達同士で希望日にレッスンを設定できます。詳細はお問い合わせください。
※初めてお申込みの方は、レッスン費の振込確認後、受付完了となります。

お問い合わせ、お申込みはこちらからどうぞ。

マーズ・キッチンの詳細はこちらから。



10/26/2015

メインはタルト・タタン


昨日のメイン料理は、紅玉で作ったタルト・タタン。
教室でもファンが多いデザートです。何ともいえないカラメルとシナモンの香り。
季節限定のお菓子を食べる幸せといったら!!


前菜は、ブロッコリーとカリフラワー、ゆで卵のサラダに。
粒マスタードとワインビネガーで作るドレッシングが、とてもよく合います。
パリのアスティエで購入し、機内持ち込みで持って帰ったサラダボウル。
なんでもないサラダを、リズミカルな雰囲気に演出してくれるお気に入りです。


掘り立ての土付きごぼう2本は、「プロヴァンス風のごぼうのソテー」に。
旬のごぼうを酢でやわらかくゆで、にんにくとソテーしてトマトソースを絡めます。
フランスでは、Salsifisサルシフィー(西洋ごぼう)で作る素朴な料理。
姿形はごぼうに似ていますが、日本のごぼうとは食感も風味も異なる野菜です。
冷凍のサルシフィーとごぼうをミックスして、レッスンではその違いをご紹介。
冷めてもおいしいので、きんぴらごぼう感覚で、常備菜にもおすすめです。


鶏むね肉の悪魔焼きに、パプリカ・ポテト。オーブンで焼くだけの簡単レシピ。
この日のメインはタルト・タタンなので、軽めの肉料理を楽しみました。
秋はおいしい食材が目白押し。毎日のごはん作りがワクワクの連続です。

10/23/2015

ハロウィン・コーディネート


着付け教室の仕事が、予定より30分早くスタートすることになり
非常にあわてつつ、久しぶりに集中して約10分で着物を着ました。
腰紐一本以外、伊達締めも紐もしていません。だからできるスピード。

初めての方には、少し難しい腰ひも一本の着付け。
ただ、この着付けを覚えたら、あまりの楽さと身軽さで、他には戻れない。
「先生、厳しい」と今日、言われてしまった。
思いが強すぎて、ついつい熱くなってしまう。反省。
着物は楽しいもの。覚えることは楽しいはず。まだまだ未熟な講師です。


手織結城にちりめん名古屋。50歳になり、しっくりくるようになりました。
ハロウィン・シーズンの10月に、毎年楽しんでいるコーディネート。
洋服では、カボチャ色なんて、絶対に無理ですね。
着物でしかできない色遊び。生徒のみなさんも、どんどん挑戦してくださいね。

器と料理の素敵な関係


大好きな道具があると、俄然、料理も楽しくなりますね。
山口県 堀越窯のすり鉢。重厚で深さがあるため安定してすりやすく、
すっているものが周りに飛び散りにくい。何より、形が美しく、眺めてはうっとり。
このすり鉢が届いてから、胡麻和えや白和えなどの登場回数が増えました。


おばんざいご飯第二段。大皿盛りにして、取り分けていただく食べ方。
和食ではあまりしていませんでしたが、最近のお気に入り。
ブロッコリーとエリンギ、オレンジの白和え。衣に胡桃と牛乳を少々プラス。
コクが加わり、柿、りんご、キウイ、オレンジなどによく合います。
器は信楽焼の陶器市で出会った田代倫章さんの一枚。すっとした佇まいが好き。

糸こんにゃくをフライパンでから煎りし、刻み昆布と針しょうが、ピーマンの千切りを
あわせてさっと炒めたら、みりんと塩少々で仕上げます。塩昆布よりやさしい味わい。
中目黒の陶器屋さんで目に留まった青磁の器は、デザインがお気に入り。


作りおきの卯の花は、器をかえて。伊藤照明さんの織部は料理を選びません。

何を作ろうかと迷ったカボチャ。面取りして薄味に炊き、鶏そぼろ餡かけに。
盛り付けたのは、20年以上使っている信楽焼、小川顕三さんの器です。
魯山人に影響を受け、「辻留」の辻嘉一氏に「料理の盛りつけと器の見立て」を
教わったという顕三さん。その器は、使うたびに発見があります。
久しぶりに、信楽のゲストハウスに伺って、料理をしたくなりました。

料理と器の素敵な関係。普段の食事から、楽しんでいきたいです。

10/22/2015

きのこのテリーヌ



お気に入りの料理教室・秋MENUの組み合わせで晩ごはん。
前菜はレーズンとりんごを使った人参のオードブルサラダ「Slade aux deux Fruits」。
ドライのセップ茸(イタリアではポルチーニ)ときのこ3種のテリーヌ「Terrine de Cepes」。
秋が深まってくると、食べたくなる組み合わせ。

スーパーで手に入る食材でも、フライパンひとつでフランス料理が作れます。
テリーヌ型で料理するだけで、何でもテリーヌ。フランス人はかなりアバウト。
生徒のみなさんも、作ってくださいね。

袋帯の柄合わせ



一度、卒業された生徒さんが、久しぶりに訪問着を着られるとのことで
1年近くぶりに復習レッスンに来られました。

袋帯のデモを見せる場合もあるので、万筋の江戸小紋に銀糸の袋帯を締める。
6通柄の袋帯は、柄あわせが必要なことがほとんど。ピタリと合うと気持ちがよい。

すっかり忘れてしまわれたという着物の着方や帯結びでしたが、何度か繰り返すと
手が思い出してくるのが不思議です。

着付け講師として私ができることは、最初の一歩のお手伝いだけ。
どんな習い事も、「習うより、慣れろ」。それしかないのだと思います。

着物がすき、着物が楽しい・・・そんな着物人が一人でも増えますように。

10/21/2015

おばんざい3品を大皿盛りで


京都の行くと必ず訪れる先斗町「ますだ」のカウンターをまねて、
昨夜は、おばんざい3品を大皿盛りにしていただきました。

天然ぶりのカマは250円なり。迷わずカゴに入れ、こっくりと「ブリ大根」に。
「アラ煮は熱湯で霜降りして氷水で血合いを洗い、まず、砂糖で道を開く」
分けとく山の野崎さんの教えどおり、酒と水で煮てから砂糖を加えて煮、
さらに、しょうゆを3回に分けて加え、仕上げにみりんで照りをだす。
「さしすせそ」の順で、ゆったりと素材に向き合えば、おいしさも格別です。


料理教室のレシピで作った京風「うの花」。水と刻んだ煮干でうまみを出します。
具は生しいたけ2枚、にんじん3cm、ねぎ1本、油揚げ1枚のみのシンプルさ。
何度もおかわりしても、のどが渇かない味付けが、家庭料理のすばらしさです。


先斗町「ますだ」でいつもいただく「万願寺とうがらしの炊いたん」。
万願寺の美しい色を残しつつ、くたっとなる直前に煮上げるのが好みです。

出汁をとらなくても、アラ、煮干、ちりめんじゃこなどの具材を上手に使えば、
奥深い味わいに。質素倹約を貫いた京都人の日常の精神が伝わってくる
「おばんざい」からは、学ぶことがたくさんありますね。

かぼちゃパン


もうすぐハロウィン。だからといって、特別なことをする予定はないけれど、
かぼちゃがたくさんあるので、作ってみたかった「かぼちゃパン」を焼いてみた。
カンパーニュなどのハード系にはない楽しさ。作っていて気分が上がります。

今回は、自家製レーズン酵母で作ったけれど、ドライイーストでふわふわに
焼き上げたほうがよさそう。中身のかぼちゃ餡も、もう少し柔ら目がバランスよし。
ということで、もう一度トライしてみましょう。

10/20/2015

秋冬野菜のバーニャカウダ


22時過ぎに帰宅したダーリンのために、秋冬野菜のバーニャカウダ。
白味噌を隠し味に使う特製ソースは、結婚パーティを開いたレストランのシェフ直伝。
レシピを教えていただときは、感激でした。今は料理教室の看板MENUです。

にんじん、サトイモ、かぼちゃ、じゃがいも、しめじは火を通してほっくりと、
パプリカ、大根、白菜、水ナスは生のままで、歯ごたえを楽しんで。
冷蔵庫や野菜ストッカーに野菜を少しずつ。9種類あればご馳走です。


BIG長ネギの白い部分は、フランスでは定番のお惣菜「Poireaux vinaigrette」に。
「貧乏人のアスパラガス」と呼ばれるポロネギは、やわらかく煮ると真価を発揮。
長いまま煮てフォークでパスタのようにして食べるのがご当地流ですが、
この日は食べやすく7cmにカットしてコンソメでゆで、そのまま冷まし、
ヴィネグレットソースで和えてから、ミモザ風にゆで卵をトッピングしました。
やわらかくて、甘くて、ホワイトアスパラガスにも負けない味わいです。


会社帰りに、ダーリンが買ってきたワインはオーストラリアのシャルドネ。
メン・オブ・ゴッサム・シャルドネ・・・ラベル買いしたそうですが、よいマリアージュに。
「ほのかなナッツとトロピカル・フルーツを感じさせるアロマが軽やかに広がり、
芳醇で豊満さと口当たりが良い味わい」との説明どおり、
バーニャカウダのソースやミモザソースを引き立てくれました。

10/19/2015

鰯のベッカフィーコ


シチリア料理「Sarde al beccafico 鰯のベッカフィーコ」。
梅煮、カバ焼き、香草パン粉焼き・・・鰯料理はいろいろあれど、
希望を聞くと、いつもベッカフィーコをリクエストされる。

ダーリンの大好物のこの料理、鰯をベッカフィーコという野鳥に見立て、
香草とミックスしたパン粉を包んで焼いたシチリア島の伝統料理。
貴族が食していたものを、手軽な鰯で庶民がまねて作ったものだそう。
脂がのった秋の鰯より、初夏のスリムな鰯のほうが私好み。
でも、何度食べても飽きないから不思議。
いつか本物の野鳥ベッカフィーコをシチリアで食べたいものです。


久しぶりのスペルト小麦のサラダ。噛み応えがあるので、食事時間が長くなる。
サニーレタス、紫たまねぎ、パプリカ、三つ葉・・・野菜はたっぷり4人分。
近頃、晩ご飯は2~3品のことが多い。その分、栄養バランスに気をつけています。


シチリア料理ですから、あわせるのはロゼワイン。食後にはチーズ2種。
この日は、フェルミエで購入したパヴェダフィノワとサン・ネクテールを少しずつ。
年齢を重ねるごとに、衣食住すべてにおいて上質なものを必要なだけ。
そんな生活を楽しんでいけたらと思っています。


10/18/2015

アップルケーキ


「Apple Cake」を焼き、リンゴのジャムを作りました。
部屋中に甘い香りがあふれています。リンゴが美味しい季節ですね。


小腹がすいたときのおやつの定番「ビスコッティ」。
ベーキングパウダーを使わず、自家製リンゴ酵母で焼きました。
食べるたびに、りんごの甘い香りがうれしくて。噛み応え十分の焼き上がり。


有機の長ネギの青い部分でソースを作り、カリッと揚げた鶏もも肉にたっぷりとかけて。
料理教室のMENUは我が家の定番です。

鶏のささ身で作る、サルティンボッカ風。
「saltinbocca サルティンボッカ」は、イタリア語で「口に飛び込む」の意味。
短時間で簡単にできることからその名がついたという料理です。
仔牛肉・鶏肉・豚肉などに、生ハムとセージを乗せたり並べてソテーしたもの。
この日は、観音開きにしたささ身に、セージと生ハムをのせて焼きました。
ベランダのセージの収穫も、そろそろ終わりが近づいています。

毎日のごはんやおやつは、季節の素材をふんだんに取り入れて。
鼻歌を歌いながら、キッチンに立つのが楽しくて。