11/17/2015

振袖と袴の着付け事情


卒業式の予約が入り始めました。先日は、イベント向けの袴の着付けに。
振袖着付けとの違いは、衣紋を抜きすぎず、衿合わせはやや鋭角にすっきりと。
また、帯の高さを低めに、根元はぴたりとつけず、ゆるやかな優しいラインが人気。


ブーツか草履、履物に合わせて袴の丈を調整していきます。
ブーツから素足が見えてもかっこ悪いし、ずるずる引きずるのも歩きにくい。
仕上げてからの丈直しは難しいだけでなく、お客様を不安にさせてしまうから
帯結びの前に袴を当てて丈を確認し、位置決めをすることを忘れずに。


袴のときの着物は、このようにおはしょりを作らない着せ方が主流になりました。
脇からのぞく着物がすっきり。歩きやすく、袴から着物が出てくる心配もありません。

毎年、少しずつ着付けにも流行があるので、最新の呉服メーカーのカタログや
お客様が購入する振袖の本などは目を通し、傾向をつかんでおくと安心です。


同じ振袖でも、袴のときとは衣紋や衿合せでまったく異なるイメージに。
衣紋はしっかり抜き、衿合せは深く。おはしょりは短めでスタイルアップ。


先日、成人式の前撮りのお手伝いをさせていただきました。
ご家族写真も撮られたので、お母様やおばあさまもご一緒でした。

着付けの最中に、おばあさまのご実家が呉服屋さんだとわかり・・・いきなり緊張。
そこが、自分でも”しょぼい!!”と思うところです。今できる精一杯をするしかない。
結果・・・その場で成人式のご依頼をいただき、ほっとするやら、嬉しいやら。
着付けの道の上達は、ひとつ一つの仕事を積み重ねるしかありません。

お客様の晴れやかな笑顔に出会えること、それを励みに精進したいと思います。